日本の海で釣れる魚たち

日本の海で、釣れる魚の生態、食べ方、そして釣り方を紹介しています。

刺身は絶品、背びれには注意の魚 ”オニカサゴ”

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**相模国のむかし話**

魚名  ーオニカサゴー 鬼笠子

 

 

生態オニカサゴと呼ばれるものは、南日本各地に分布している。

水深数100mから200mくらいまでの中深場に棲息しているカサゴの仲間のこと。

ほかのカサゴは険しい岩礁帯を好むが、砂泥や砂礫に点在する穏やかな起伏の海底などに生息している。

口が大きく魚体真っ赤。

大きいものは2㎏以上にも達する。

背ビレにはとげがあり、刺されると全身が痺れるほどの毒がある。

 

釣り方:エサを刺したハリを船べりから垂らしたら、片テンを絡ませないように海面に降ろし、リールのクラッチを切って道糸を送り出す。

アタリがあったら竿先をわずかに下げて送り込み、静かに竿先を引き起こす。

大きなあわせはバレを招くから逆効果。

根魚はうきぶくろを膨らませて浮上するのが普通だが、水圧変化に強いオニカサゴはハリが外れると潜ってしまう。

取り込みには、タモを使うのが良い。

オニカサゴの背ビレには全身が痺れるほどの毒があるので刺されないよう下アゴを持ってハリを外し、釣り上げた後はハサミで棘を切り取っておくと安心。

 

食べ方:身は、白身で独特のコクがあり、さっぱりしていて旨い。

旬は脂の乗った冬。

シャブシャブ、ちり鍋、唐揚げなどにも人気があるが、何といっても刺身がうまい。

分厚い羊羹切りではなく5、6㎜の厚さに切ってポン酢を効かせた醤油に紅葉おろしを加えると絶品。

釣り上げた後、生きたまま血抜きして丸1日くらい氷締めにするとうまさがにじみ出る。

また酢飯のうえに大葉を敷き、紅葉おろしを乗せて握り鮨にしたり、同じ食材で巻き物にしたりするといくらでも食べられる。

 

 

潤んだ目をしたイワシ ”うるめいわし”

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魚名  ーうるめいわしー 潤目鰯

 



生態:大きな眼が透明な脂肪の膜で覆われて、潤んだように見えるところから、この名が付いている。

 黒潮対馬暖流の影響の強い南日本の外海が主な生息域で、大きくなると30cm近くになる。

 

釣り方:港の堤防などからのサビキ釣りで釣れるので、堤防などでのファミリーフィッシングの好ターゲットでもある。

アミこませを入れた、コマセカゴの下にサビキを付けて、竿をあおったら竿先を掲げてコマセの煙幕の中にサビキを入れる、アタリがあってもすぐに巻き上げずに追い食いさせるのが数を延ばすコツ。

 

食べ方:活きのよいものは青緑色がかって光る帯が走っているが、うろこは落ちやすく、鮮度が落ちるのも非常に早い。

新鮮なものを刺身や酢味噌和えにして食べるが、大部分は目刺しなどの丸干しの加工をする。

イワシ類の中で最も脂肪分が少ないので、干しても油焼けしにくく、干すことにより旨味が増す。

刺身、酢味噌和え、丸干し

 

 

胎児を産む魚 ”海タナゴ”

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魚名  ーうみたなごー 海鱮

 

生態:日本各地の沿岸にすむが、東北太平洋側に大型が多い。

魚類では珍しく、胎生で、晩春から初夏にかけて20~30尾の胎児を産む。

塩分濃度の高い磯の藻が生えているような所を好み、また、内湾の防波堤の近くにもいる。

地域によって多少差があるが、晩秋から岸近くにやってきて産卵の終わる初夏に深場へ去る。

 

釣り方:釣り方はタマウキを使ったウキ釣りで、潮があまり速くない防波堤などではリールなしのノベ竿でもいい。

口が小さく、アタリがわかりにくいため、タマウキを連結したシモリウキ仕掛けにするといいだろう。

また外洋の本格的な磯から釣る場合は円錐ウキ仕掛けが釣りやすい。

ウミタナゴではコマセが必携品。

アミを少しずつポイントにまいて魚を寄せること。

コマセがないと釣りにならないから注意。

 

食べ方ウミタナゴの身は白身でやわらかく、淡白な味。

小骨は少なく、骨離れが良いので食べやすい魚。

塩焼き、バター焼き、から揚げなどが旨い。

刺身は、身が水っぽく感じられるので、好みが別れる。

 

 

カワハギの干物は、大半がこの魚 ”うまづらはぎ”

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魚名  ーうまずらはぎー 馬面剥

 

生態:カワハギの仲間は、分類上フグ目に属し系統的にも近縁であるため、肉質や泳ぎ方がフグによく似ている。

その名の通り頭部が長いので、その名がついたと思われる。

カワハギより沖合の深い所に棲息。

体は長楕円形で灰青色、下部は淡い色をしている

 

釣り方:カワハギ釣りの外道として釣れてくる、主に狙うことの少ない魚。

釣れた時の引きは、カワハギより強いが、途中でフワァと軽くなるカワハギ独特の引き方はしない。

カワハギの仲間なので、口が小さく、かつ鋭いので、えさを取られたり、ハリスを切られたりして釣り人からは嫌われものとなることが多い。

 

食べ方:肉質も肝の味もカワハギに及ばないと言われているが、美味しい魚である。

ただ腐敗やいたみが早く悪臭を放ち易いので保管には要注意。

旬は秋から冬で身は白身で、刺身・煮付け・味噌汁・鍋がうまい。

カワハギの干物として売られているもののほとんどが、

ウマズラハギである。

 

 

大型のカワハギで最高に旨い ”うすばはぎ”

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魚名  ーうすばはぎー 薄葉剥

 

生態:浅海の沿岸に群れを作って生息し、定置網にまとまって入ることがある。

幼魚には多数の複雑なしま模様がある。

ウマヅラハギよりもさらに細長く、体形は長楕円形である。

第1背びれは細く、折れやすい。尾びれが短く、尾びれの付け根がやや長いのが特徴である。

体色は灰白色で背の方に暗褐色の小さな斑紋が散在するがはっきりした色紋がない。

小さいエビ・カニ類やクラゲを食べる。最大75cmになる。

 

釣り方:磯釣りの外道、船釣りの外道と・・・主に狙うことの少ない魚。

カワハギの仲間なので、口が小さく、かつ鋭いので、えさを取られたり、ハリスを切られたりして釣り人からは嫌われものとなることが多い。

浅海に多く、群れをつくることから釣れだすと、たくさん釣れることもある。

磯で上物をやっていると、のんきに浮かびあがってきて、ゆったりと餌をひろうのが見える。

邪魔になって、いざ釣ってやろうと思うと、歯が鋭くてハリスを噛み切られたりして、なかなか釣れない。

 

食べ方:まったく癖がない白身をしているので、三枚におろして薄皮を取って薄作りをポン酢で食べたりするのがうまい。

ちり鍋やバター焼きとフライなどもうまい。

肝は、最高に美味。

 

 

ブリの幼魚 ”いなだ”

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魚名  ーいなだー 

 

生態:ブリの幼魚。

温暖性の回遊魚で北海道から台湾に至るまで分布し、春夏は北上、秋冬は南下して回遊する。

産卵期は南から2月ごろからはじまり7月までつづく。

稚魚期は甲殻類を捕食するが、成長するとイワシ、アジ類、イカ類などを捕食する。

水温の上昇とともに北に回遊、水温が下がってくると南下する。

成長するにつれて呼び名が変わる、出世魚として縁起の良い魚。

関東では、ワカシ(15cm)、イナダ(40cm)・ワラサ(60cm)・ブリ(100cm)

関西では、ツバス(15cm)・ハマチ(40cm)・メジロ(60cm)・ブリ(100cm)

 

釣り方:イナダはアミやオキアミのコマセ釣りで攻めることが多い。

カッタクリ釣りは、バケ選びによって釣果がかなり違ってくるのが特徴。

 コマセ釣りの決め手は仕掛けの長さや形状、コマセの種類によって異なるが、振り出したコマセと刺し餌をうまく同調させること。

 

食べ方:刺身・照り焼き・アラの大根煮がうまい。

ブリほどあぶらがのってなくさっぱりした身なのでカルパッチョにするといくらでも食べられる。

 

 

嬉しい外道 ”いとより”

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魚名  ーいとよりー 糸縒鯛

 

生態:体型は細長く、尾びれの上端部は糸状に伸びている。

体長は40cmほどになり、体色は、背部がピンクで体側に黄色い縦じまが6本ある。

水深30m~250mの砂泥底に生息して、甲殻類や小魚を捕食している。

 

釣り方:本命として狙うことは、ほとんどないが、アマダイなどの外道として釣れてくる。

深場の砂泥底を釣るので、片天ビンに2本ハリで釣る。

食い込みは、早いので向こうあわせで釣れてくる。

 

食べ方白身で身が柔らかいので、塩でしめてから料理するとよい。

照り焼き、煮付け、椀種などが旨い。

旬の晩秋から冬のころは、脂がのってくるので刺身も旨い。

 

 

メジナ釣りの外道 ”イスズミ”

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魚名  ーいすずみー 伊寿墨

 

 

生態:イスズミはメジナに似た魚で房総半島以南に分布し、沖縄、小笠原などではきわめて魚影が濃い。

地元ではササヨと呼ばれている。

イスズミにはイスズミ ・ミナミイスズミ・テンジクイサキの3種類が含まれている。

テンジクイサキは背びれと尻びれが高いことで簡単に区別きるが、イスズミとミナミイスズミは大変良く似ていて背びれを支える軟条の数を数えないと区別できない。

因みにイスズミは14、ミナミイスズミは10~12です。

 

釣り方メジナ釣りの外道としてうるさいほど釣れ、体型も極似しているうえ棲息域も重複する。

釣り上げるとところ構わず糞を撒き散らすためババタレと呼ばれて敬遠されることが多い。

アタリ、引きともにメジナそっくりでその釣趣はなかなかのもの。

コマセにも敏感に反応するため、引きだけを楽しめば良いと割り切れば、おもしろさはA級といえる。

 

食べ方:イスズミ類は肉に独特の臭いがあって、慣れない人には抵抗があり嫌われるが。

ハンバノリや褐藻類などに食性の変わる冬場は磯臭さが消えるため、打って変わって味が良くなる。

正月料理に欠かせない地域もあり、あえて言えば冬場が旬、イスズミの肉と野菜を混ぜ酢であえた料理がありピーマカと呼んでいます。

①イスズミを三枚に下ろす

②皮付きのまま薄切りにして塩を振り、しばらく置いた後、酢で洗う。

③玉ねぎスライス、トウガラシのきざみを酢+塩+橙の絞り汁に入れ、②で作った身を漬けます。

 

 

蒲鉾の原料にはこの魚が一番 ”イシモチ”

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魚名  ーいしもちー 石持

 

生態:東北以南、東シナ海、インド洋まで広く分布する熱帯・温帯性の魚で、砂泥地に群れになって生息している。

ニベ科にはシログチ(イシモチ)、コイチ、ニベ、オオニベ、ホンニベなどがいる。

3年で27cm程度の成魚になるが、寿命は10年程度、最大で60cmになる。

初夏の産卵期になると大きな浮き袋を使ってグウグウと音を出し、これが愚痴(ぐち)を言っているように聞こえる所からグチという名前になった。

頭部に炭酸カルシウムの耳石(1~2cm)を持っているのでイシモチと言われる。

 

釣り方:投げ釣りは初夏から晩秋にかけて砂浜の夜釣りで狙う。

千葉県北部から常磐方面にかけて数が多く、潮が濁れば日中でも数がまとまる。

キスより若干上層を泳いでいるのが特徴である。

このため仕掛けは胴付き式にするのが一般的である。

船やボートからの釣りも胴付き仕掛けで、オモリが着底したら、糸ふけを取り底を軽くたたくように誘う、アタリは、小さいが強くあわせずに竿を立てるように合わせる。

 

食べ方白身で軟らかく、脂肪が少ないので、さまざまな料理が出来る。

蒲鉾の原料に利用されるのが有名だが、鮮度のよいものは鯛の刺身の代用品としたり、少しクセのある匂いがするので、薄造りを酢味噌で食べたり、中華風のドレッシングで合えると美味。

・塩焼き ウロコは、はがれ易いので、包丁の背ではぎ、内臓とエラをとり、塩を振る。

・煮付け 1尾のまま2ヵ所ほど切れ込みを入れて、中火でたっぷり煮込むと味がしみて美味しく仕上がる。

・煮こごり ウロコを取り、頭と内臓を除いたものを蒸して身だけをほぐし、シイタケ・ニンジンなどのみじん切りをいっしょに入れ調味して、片栗粉とともに煮込み、器に流し込む。

サッパリした味が美味。

中華料理では内臓だけ取り、丸ごと唐揚げにして、甘酢あんかけで食べる。 その他 フライ、バター焼き、吸い物の椀種としても利用。

 

 

磯釣りの王者 イシダイ

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魚名  ーいしだいー 石鯛

 

生態:本州中部以南の黒潮が流れる磯に生息している。

全長は80cmを越え、10kg級になると言われている。

頭から尾にかけて7本の黒い横ジマがある。

このシマは成魚になると体全体が黒ずんで明確でなくなることが多い。

歯が非常に強く、エビなどの甲殻類やサザエなどの貝類を噛み砕いて食べる。

成魚の体長は、約 50~70 cm で、25 cm 以下の若魚はサンバソウと呼ばれる。

 

釣り方:イシダイの歯は大変強く、サザエなどをかみ砕く力があるので、エビや貝類を食べている。

磯にいる魚としては抜群の力持ちで、ハリに掛けても釣り上げるのが大変である。

アタリがあったら十分に送り込んでから、大きく力一杯アワセる。

イシダイは三段引きといって、最初はコツンとくるが、このとき十分送り込み、3回目に竿先が海中に引き込まれるほどになった時強くアワセる。

 

食べ方:1~2キロ位の若魚が旨い。

3キロを越すと独特の磯臭さが出てきてしまう。

刺身、塩焼き、バター焼きが良く、大型の場合はみそ漬けが臭みが取れて旨い。

刺身は、〆た当日だと身が硬いので薄くそぐと良い。

 ラップで包んで冷蔵庫に入れ、翌日刺身にして食べると甘みが出てくる。

 

 

子持ちガレイと呼ばれることも ”いしがれい”

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魚名  ーいしがれいー 石鰈

 

生態:水深100m以浅の沿岸の砂底域、砂泥底域にすみ、しばしば淡水域にも侵入する。

成長とともに眼側に石のようなこぶ状突起が発達する。

眼側は褐色で、背びれと臀びれのつけ根近くに白斑が散在するのが特徴。

冬から初春にかけて、水深10~20mの浅所で産卵する。

全長60cm位まで成長する。

 

釣り方:岸からの投げ釣りと船釣りがある。

砂の中に体を隠してエサが接近してくるのを待つ習性なので、アタリは小さい。

オモリが底へ着いたら、トン、トンとたたくように4、5回繰り返し、竿先をゆっくり、1メートルほど上げて様子を見る。

すると小さい前ぶれの後、食い込む。

投げ釣りは、置き竿にしてアタリを待つやり方が良く、潮の変化で釣れだす事が多いので、アタリが無くても我慢して待つ釣りになる。

 

食べ方:旬は夏で、あらいや刺身のほか煮付けや空揚げなどにして美味しい。

白身でさまざまな料理に用いられる。

また冬のカレイ、特に産卵前の時期のメスは大きな卵巣をもっており、子持ちガレイと呼ばれ、甘辛く煮付けたものが旨い。

イシガレイのおろし方は、表面の石づきを出刃包丁でそぎ、下ごしらえの要領で5枚におろし、皮を引き、平造りにする。

 

 

クチジロと呼ばれる魚はこれ? ”イシガキダイ”

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魚名  ーいしがきだいー 石垣鯛

 

生態:北海道以南の沿岸の磯の岩場に生息している。

イシダイより暖い海にいて体形はイシダイによく似て側扁し、くちばし状となっている。

体色は全体が褐色で、ちょうど石垣状に見えるが、成長につれて薄くなっていく。

産卵期は春から夏にかけてで、沿岸の岩礁域に産卵する。

フジツボや巻貝など硬いものを好んで食べる。

老成魚は口が白くなり、クチジロと呼ばれる。 体長50~60cmまで成長する。

 

釣り方:イシダイによく似ている魚で、磯釣りで狙うイシダイの外道として釣られてくる。

小型は堤防からも比較的簡単に釣れる。

船つりの外道として掛かることもある。

餌さは、サザエやヤドカリやエビ類を使う、硬い口で噛み割るのでハリスには、ワイヤーを使うのが主流。

 

食べ方:刺身としては、引き締まった身は、薄く削ぎ切りにすると美味しく、柚子コショウに柚子やカボスで食べると美味。

刺身を取った後のあらを荒炊きすると美味。

3枚に下ろし皮を引かずに熱湯をかけて直ぐに冷水に取って、水気をとり、約5ミリぐらいに引いて食べる松皮のお造りなども旨い。

 

 

初夏のコマセ釣りなら ”イサキ”

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魚名  ーいさきー 伊佐木

 

生態:沖合いの岩礁域や貝殻混じりの砂泥域に生息する。

浅海の黒潮流域沿岸部の岩礁域にも群れて生息する。

大型では50cm近くまで成長する。

側線のすぐ下から背中にかけて茶色の縦ジマが3本ある。

中・小型はとくに縞が鮮明だが、大型になると目立たなくなる。

初夏に産卵のため岸近くにやってくる。

産卵を控えたイサキは大群で押し寄せ、根の中層を占拠するが、その場所は毎年決まっているという。

卵は1mm弱の浮性卵で、数は雌の大きさによって6万から105万粒と大きく違う。

 

釣り方:中層に密な魚群を形成するため、船からサビキ、カラバリ、コマセ釣りなどで釣るのが一般的だが、接岸中は磯からも釣れる。

群れで行動し、コマセによく集まる。

このためイサキ釣りはコマセの使い方が重要とされる。

沖釣りではシャベルカゴ、ビシを使った釣りで、コマセ、付けエサはオキアミを使う。

小型が多い群れではウイリーやスキンのバケもいい。

磯釣りはカゴ釣りが主流で、反転カゴにオキアミをエサにする。大型を釣るなら磯の夜釣りがいい。

 

食べ方:イサキは塩焼きが定番で美味しいが、他に刺身、アライ、なめろう、つけ焼きなどが美味しく、小さいものでも脂が乗っているので寿司ネタなどに利用される事もある。

イサキの背鰭の棘は、鶏のトサカに似ているので、「鶏魚」 とも書く事がある。

この棘は堅く、紀州ではイサキのことを 「カジヤゴロシ」 というほどで、塩焼きで食べる時は十分注意する必要がある。 喉に刺さるとまず激しく痛み、場合によっては病院行きになる場合がある。

 

 

米粒形の卵が胴にいっぱい ”イイダコ”

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魚名  ーいいだこー 飯蛸

 

生態:イイダコは大きさは5~20cmとタコの中でも小型サイズで、腕の付け根に2個、目と目の間に1個の金色の紋があるのが特徴。

小さな米粒形の卵が胴につまるので、イイ(飯)ダコといわれる。

1匹の雌は200~600粒の卵を持つ。

潮間帯から水深20mぐらいの砂地の内湾的な環境を好む。

 

釣り方:仕掛けは、イイダコ用の普通のたこテンヤに比べて小型のテンヤを使う。

道糸の間に5号で50cmくらいの糸をリーダーとして入れておくと絡みなどがしずらくなる。

つり方は、イイダコが白い物を好む習性を利用して、ラッキョウや白い陶器・ブタの脂身、ネギなど、白い物をテンヤ結び付けて、海底を引きずるという簡単なもの。

イイダコが掛かるとテンヤが何かに引っかかったかのようになるので、竿を立ててから一定のスピードで巻いてくる。

 

食べ方:イイダコは茹でる前に、まず墨を取り除き、一掴みの塩でもみ洗いし、ぬめりを取ったら熱湯に足元から入れる。

こうすると足が四方に広がって、形良く茹で上がる。

その後 醤油とみりんで薄めに味付けたダシで15分ぐらい煮る。

お湯だけで20分茹でたものに、みりんでのばした白味噌をつけるか、ワサビ醤油で食べるのも旨い。

また、ネギと一緒に酢味噌で和えても美味しい。

身を柔らかく食べたい時は、塩もみの塩をひかえ、ぬるま湯でヌメリを取ると、柔らかく出来る。

その他、八宝菜などのの炒め物や唐揚げ、フライ、おでん鍋物の具などにもよい。

 

 

大食漢な深海魚 ”あら”

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魚名  ーあらー 𩺊

 

生態:やや深海性で沖合いの岩礁域や貝殻混じりの砂泥域に生息する。

体は紡錘形でやや側扁して長い。

吻部は尖っており、口は大きく、下顎は上顎より突出している。

背ビレは1基で13棘あり、エラ蓋に後方へ向う大きな鋭い棘がある。

鱗は非常に小さく、体色は体側背部が灰青色で腹部は白い。

幼魚は、体側背部に吻から尾柄部まで達する3本の褐色縦帯がある。

スズキに似ているが、大きなエラ蓋に特徴がある。体長は1m余りに達する。

 

釣り方:アラの口は深海魚特有の受け口。

この形の口をした魚は見るからに貪食そうで、アラも大変な大食漢である。

しかも口が上を向いている魚は上から餌が接近してくるのを待つ習性があり、すぐ近くの底魚には見向きもしない。

 また、動作がゆったりとしているので、あたりはなんとも頼りがない。

根にひかかった程度の感触しかなく、それが突然強烈な引き込みを始めるので、タイミングの合わせ方が難しい。

釣り上げる時はスズキの「エラ洗い」と同じようにエラを広げて体を震わせる。

 

食べ方白身の魚で、脂が乗っている割にあっさりした味わいである。

身がしまっているので、2日間ぐらい寝かせてから刺身にする方が旨い。

頭・カマ・内臓はきれいに水洗いして塩を振り、熱湯に通す。

これを適当な大きさに切って、もみじおろしにカボスの三杯酢を薬味にして食べると美味。